小論文の書き方・レポートの書き方社員のレポートの向上・改善

社員のレポートの向上・改善

起業において社員が作成するレポートやプロポーザルも、基本的にはこのサイトで紹介する小論文と同じです。まず、結論から書く訓練をしましょう。そして、アウトラインの作り方をマスターしましょう。

レポートとプロポーザルは同じ

レポートが苦手な社会人は多いです。社員のレポート執筆力を鍛えることは、プレゼンテーション能力の向上や、プロポーザルなどの提案力の向上に直結します。

レポートは一般的には「何が起きたか・なぜそうなったか」などをまとめる文章。プロポーザルは「何を行うのが良いか・なぜ良いのか」などをまとめる文章です。レポートが過去の事実や過去に関する推論をまとめるのに対し、プロポーザルは未来に関する推論をまとめるという違いはありますが、どちらも主張をまとめて、説得性を持たせる、という意味で構造的には同じものとなります。

レポートは「どうして仮説」、つまり「どうしてそうなった」に関する仮説を検証していきます。これに対し、プロポーザルは「どうなる仮説」、つまり「どうしてそうなる(と考える)」に関する仮説を立て、その仮説の確かさを論じていくものです。

知りたいのは結論

レポートにしろ、プロポーザルにしろ、読者やプレゼンの聞き手がまず知りたいのは結論です。忙しい相手ならば、結論を見るだけで、その他の所には目を通さないかもしれません。関心があるのは結論だけかもしれないのです。ですから、レポートにしろ、プロポーザルにしろ、結論は文章の初めに示さなければなりません。つまり、このサイトで紹介している論文の書き方と全く同じです。

そして、興味を惹かれたり、深く知りたいと考えたりした場合に、レポートやプロポーザルを読み進めることになります。

私は他社のコンサルタントと組んで仕事をすることがあります。ところが、内容はきちんと詰めたはずのレポートが、クライアントに「わかりにくい」と言われてしまうことがよくあります。他社の社員がクライアントに提出するレポートを書く担当をしています。私は幸いにして?レポートそのものを直接書くことはありません。どのような内容にするかに対してコメントするだけです。他社の担当者が書くレポートは、ボリュームが大きく、内容はすべて網羅されているものの、忙しいクライアントにとって、どこを一番に読むべきか、何が一番重要なのかがわかりにくいものとなっています。

つまり、レポートする情報量を確保しようとするあまり、情報の重みづけと、重要情報のプレゼンの方法が練られていないのが現状です。大部ではあるけれどもわかりにくいレポート。皆さんも経験したことがあるのではないでしょうか。

一般的には外国で高等教育を受けた人はレポートの書き方がうまく、日本人は苦手とされています。ところが、以前国際機関の実施するプロジェクトで働いていたころ、欧米人の書くレポートよりも、日本人が書くレポートのほうがたいてい評価が高い、ということがありました。欧米人は英語が達者で(中にはオックスフォード大学の大学院を出ている人までいた)、たくさんの情報をレポートにぶち込んで来るのに対し、日本人は英語が苦手で、そんなにたくさんのことを書けません。そのため、英語で書く内容を厳選し、本当に重要と思うことだけをコンパクトに書いて提出していたのです。

レポートを見る側は、すべてを知りたいわけではありません。多くのレポートを読まなければなりませんから、重要なポイントが明確に書かれたコンパクトなレポートのほうが歓迎されるのです。この、読者のニーズに合致していたので、英語は下手でも、日本人のレポートのほうが高評価、という面白いことが起きていました。

欧米式の教育を受けた人はアウトラインを読む

レポートを提出する上司や、プロポーザルを出す相手が欧米式の教育を受けたことがある場合、レポートやプロポーザルのアウトラインを見通そうと、各パラグラフとトピックセンテンスだけ読むことがあります。

パラグラフライティングの技術では、トピックセンテンスはそのパラグラフのまとめであり、各パラグラフの先頭に置かれます。そして、複数のパラグラフのトピックセンテンスが、アウトラインを形成しています。

ですから、欧米式の訓練を受けた人は、各パラグラフの先頭の文章(センテンス)だけを追って、レポートやプロポーザルの中身を追おうとする場合があるのです。

ところが日本式の作文に慣れた人は、トピックセンテンスを段落の最後に書いたり、場合によっては段落が単に文の量によって切られていて、一つの意味を持っていないこともあります。これでは、アウトラインを追うことは不可能です。

アウトラインを追うことができない文章(この場合はレポートやプロポーザルですが)は、「意味不明」と判定されてしまいます。実は、中にはとても良いことが書いてあったとしても、文章から意味を掴むのが容易ではないので、評価が下げられてしまいます。

どんな企業にも国際化の波が押し寄せてきている現在、社員に対してレポートの書き方のトレーニングを行っておくこと、欧米式のパラグラフライティングを身につけさせておくことは、必須となっています。

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