パラグラフのつながり
パラグラフどうしのつながり
さて、文と文との繋がりを示したところでパラグラフに戻ります。
パラグラフどうしにも文と文との関係と全く同じような構造が必要です。つまり、パラグラフを並べたときに、そこに秩序が見えるようにする、ということです。パラグラフを並べると把握しにくいかもしれませんから、トピックセンテンスだけを並べてみれば、パラグラフどうしの関係が良くわかります。
論文の主題が「アフリカにおけるバオバブの重要性」だとしたら、例えば以下のような構成が考えられます。すべてパラグラフを短くしてトピックセンテンスだけ抽出したものだと考えてください。
「バオバブは多目的に使われている」
「バオバブは神話によく登場する」
「バオバブを切ることはタブーである」
「バオバブを現在でも植えている」
これらの並列する証拠を一つ一つのパラグラフとして構成していって、結論として「バオバブは重要である」ということを導き出すわけです。
パラグラフが繋がらない例
よくある間違いは、不要なパラグラフを入れてしまうことです。
例えば以下。
「バオバブは多目的に使われている」
「バオバブは神話によく登場する」
*「バオバブはオーストラリアの神話にも出てくる」
「バオバブを切ることはタブーである」
「バオバブを現在でも植えている」
この論文の書き手はバオバブについてよく調べていることを示すために*印のついたオーストラリアについてのパラグラフを入れたのかもしれません。しかし、他のパラグラフとはつながりません。
こうした主題から外れるパラグラフは取り除かなくてはなりません。他のパラグラフはすべて主題である「バオバブのアフリカでの重要性」をサポートしていますが、バオバブがオーストラリアでどう考えられているかなどは、主題とは全くそれる内容です。論文の読み手の思考は、主題とは外れたパラグラフのところで、一回切れてしまいます。