小論文の書き方・レポートの書き方パラグラフ・ライティング/論文の小構造

パラグラフ・ライティングとは?論文の小構造・パラグラフ

論文・小論文はパラグラフ・ライティングが命

論文の小構造は、基本的に文とパラグラフ(段落)、そしてそれらの関係が命です。英語圏では paragraph writing という言葉が、文章作成とほとんど同じ意味で使われているほどです。子どもたちも漠然とした作文ではなく、paragraph writing(パラグラフ・ライティング)、つまり文章構成の技術をしっかりと学びます。

パラグラフ・ライティングとは?

パラグラフの意味は、日本語に直訳すれば「段落」ですが、日本語の作文上での文の区切りの段落と、論文を書く上での段落の性格はかなり異なるので、ここではあえてパラグラフという言葉を使用します。

日本の作文だと、文章が長くなりすぎて「読みにくくなるのを防ぐ」ために「このあたりで段落を切ろう」というケースが多々あります。英語でいうparagraphの意味、そして日本語の論文であってもパラグラフ(段落)は、まったく意味が異なり、読みやすいか否かで長さが決まるものではありません。後述しますが、パラグラフはひとつの考えのまとまりです。パラグラフは英作文をする時に使う段落、ではなく、言語を問わずに使える、意味の単位なのです。

日本語の段落にも「意味段落」というものがあり、パラグラフと性格は似ています。しかし、意味段落の場合は「まとまった意味で区切る」という以上の意味はなく、パラグラフのように後述するような構造が定義されているわけでもありません。この点が意味段落とパラグラフの違いです。

つまりパラグラフ自身が構造を持ち、ミクロレベルの論文のような構成になっているのです。このようなパラグラフを構成するスキルを、パラグラフ・ライティングと呼びます。

小論文ではパラグラフ・ライティングが特に重要

そして小論文や短いレポートでは、大構造以上に小構造のでき、特にパラグラフのできが全体の印象を左右すると言えます。修士・博士レベルの学位論文と違い、大学や大学院の教科ごとの課題レベルの小論文・エッセイでは、論文の中の議論の補強材料として用いるのが著者本人のオリジナルというよりも、既存の資料をまとめたものである場合がほとんどだからです。

議論の材料や結論で目を引くのではなく、自分の調べたことを消化していかに論文として文章を構成するか、いかに議論の流れがスムースな論文にするかがポイントになります。すなわち、自分が理解していることを読者にすぐにわかってもらえるような書き方が小論文にとっては重要です。

一般的に小論文やレポートに求められるのは、論理をきちんと展開できることを示すこと、あるいは講義などの内容を理解していることを示すことと考えて差し支えないと思います。

このレベルの論文執筆は、オリジナリティの問題ではなく、技術を身につけることが重要です。特に入試・入社試験の小論文では、決められた時間内に、資料を調べることなく論文をまとめる必要がありますから、パラグラフをまとめる技術であるパラグラフ・ライティングが重要となります。

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