アウトライン・モードとは
皆さんはMSワードで執筆する時、どのような画面モードを使われているでしょうか?MSワードを立ち上げた時に表示される、以下のような画面表示で使用されているのではないでしょうか。これは「印刷レイアウト」と呼ばれるモードで、印刷する時そのままのフォントやフォントサイズ、画像が表示されるものです。以下の例では私がかなり以前に書いた専門誌への投稿論文を例に使っています。
印刷モードでの表示が一般的なためか、ついついこの画面だけを使って文章を作りがちです。無論、短文であればそれでもかまいませんが、論文、レポートなど、文書が長く、構造化された文書を書くには印刷モードだけで作業するのはお勧めできません。
アウトライン・モードの開き方
そこでまず、MSワードのメニューのところの「表示」をクリックしてください。以下のようなリボンに変わると思います。MSワードのバージョンによって若干の違いはあります。現在選択されているのは「印刷レイアウト」だと思いますので、ここで左の方にある「アウトライン」を選択します。
ここではからの文書を例に使っていますから、何も表示されていませんが、これがアウトラインモードです。アウトライン・モードから戻るには、「アウトライン表示を閉じる」を選択します。
アウトライン表示とは
ではそもそも、アウトラインとは何でしょうか?一般的にアウトラインというと、あらすじのようなものを指しますが、MSワードのアウトライン・モードでは、「見出しとトピック・センテンスだけを抽出したもの」と考えてください。トピック・センテンスがわからない方はこちらを先に読んでください。
まずは、例に使っている論文で、見出しだけを表示させてみましょう。「レベルの表示」という項目がありますが、この中のレベルというのは「見出しレベル」のことです。見出しレベルは1から9までが指定できますが、この論文では見出しレベル2まで、つまり大見出しと小見出しの2種類しか使用していません。ですからレベル3までを指定しても、2段階までの見出ししか表示されていません。
気づかれたと思いますが、この表示では、本文は表示されず、見出しだけが表示されています。そして見出しレベルに応じて、字下げが行われています。これによって、論文の構造がどうなっているのか、簡単に把握できるわけです。特に長い論文を書く時には必須です。
なお、「レベルの表示」で「すべてのレベルを表示」を選択すると、本文も含めてすべてが表示されます。
アウトラインモードで見出しとして表示させるためには、別に説明しますが、見出しにしたい行のスタイルを「見出し」に設定しておかなければなりません。さらに各「見出し」スタイルに「アウトラインレベル」が紐づけされていないといけませんが、これはとても複雑なので別途説明します。MSワードではデフォルトでは各見出しは、対応するアウトラインレベルに紐づけされていますので、通常は気にする必要がありません。
各見出しの左にある〇+印をダブルクリックすると、中が展開され、本文がある場合には本文が表示されます。「I 序論」の部分を展開したのが次になります。
こうすると、各見出しの下にある段落(パラグラフ)が表示されます。小さな〇が付いているのが個々のパラグラフを示しています。
各見出しの〇+や、パラグラフの〇をマウスでつかみ、ドラッグすると、そこにある構造を丸ごと移動させることができます。つまり、各構造を丸ごと異例換えたりすることができるわけで、文書の中の情報の並びなどを推敲するのにとても便利な機能です。試してみてください。
ちなみに〇の中に+はその見出しの下に文章がある場合、〇の中に-は、見出しだけで中に何も書かれていないことを示しています。
次は「1行目のみ表示」機能です。